憲法改正草案の衆議院における審議の過程では、芦田修正と呼ばれる修正が行われた[33]。芦田修正とは、憲法議会となった第90回帝国議会の衆議院に設置された、衆議院帝国憲法改正小委員会による修正である[34]。特に憲法9条に関する修正は委員長である芦田均の名を冠して芦田修正と呼ばれ、9条をめぐる議論ではひとつの論点となっている。
まず、帝国議会に提出された憲法改正草案第9条の内容は、次のようなものであった。
第9条 国の主権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、他国との間の紛争の解決の手段としては永久にこれを抛棄する。
陸海空軍その他の戦力の保持は許されない。国の交戦権は認められない。
衆議院における審議の過程で、この原案の表現は、いかにも日本がやむを得ず戦争を放棄するような印象を与え、自主性に乏しいとの批判があったため、このような印象を払拭し、格調高い文章とする意見が支配的であった。そこで、各派から、様々な文案が示され、これらを踏まえて、芦田委員長が次のような試案(芦田試案)を提示した。
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日本国民は、正義と秩序とを基調とする国際平和を誠実に希求し、陸海空軍その他の戦力を保持せず、国の交戦権を否認することを声明する。
前項の目的を達するため国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
芦田試案について、委員会で懇談が進められ、1項の文末の修正や1項と2項の入れ替えなどについて、原案をもとにすることなどがまとまった。芦田委員長は、これらの議論をまとめて案文を調整し、最終的に次のように修正することを決定した。
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この修正について、総司令部側からは何ら異議もなく、成立に至った[35]。芦田修正では、「前項の目的を達するため」という一文が、後に9条解釈をめぐる重要な争点の一つとなり、芦田の意図などについても論議の的となった。